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145話 自省の間

last update publish date: 2026-10-26 13:13:02

俺の目の前に男が膝を付かせられる。

ここは九条家本邸の奥、かつては自省の間と呼ばれていた空間だった場所だ。

何も無い部屋の中央に連れられて来た木崎潤が膝を付かせられている。

俺はそれを見下ろしながら言う。

「面白い話を聞いたが」

俺の声が何も無い部屋の中に響く。木崎潤は何も言わずに項垂れている。

「紺青の暗殺者、そして紺青の永久凍土」

俺がそう言うと木崎潤が顔を上げる。

「それらは偶然の産物です」

木崎潤は俺に入った報告と一寸の狂いも無い事を述べる。

「エンジェルスフォールの地下に、そのような土壌があった、という事か?」

そう聞くと木崎潤が言う。

「エンジェルスフォールの土壌はそもそも、毒性が強いんです。そこへあの青の永久凍土がほんのちょっとした事故で浸透したんです」

俺はそれを聞き、言う。

「そして誕生したのが紺青の暗殺者と紺青の永久凍土、という訳か」

俺がそう言うと木崎潤が頷く。

「はい、九条様」

この男は本当に良く訓練されているなと思う。決して逆らわず、自身の知っている事を素直に述べている。こちらがそのほとんどを把握している事もきっと本能で分かっているのだろうと思えた。

(長い
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    俺の目の前に男が膝を付かせられる。ここは九条家本邸の奥、かつては自省の間と呼ばれていた空間だった場所だ。何も無い部屋の中央に連れられて来た木崎潤が膝を付かせられている。俺はそれを見下ろしながら言う。「面白い話を聞いたが」俺の声が何も無い部屋の中に響く。木崎潤は何も言わずに項垂れている。「紺青の暗殺者、そして紺青の永久凍土」俺がそう言うと木崎潤が顔を上げる。「それらは偶然の産物です」木崎潤は俺に入った報告と一寸の狂いも無い事を述べる。「エンジェルスフォールの地下に、そのような土壌があった、という事か?」そう聞くと木崎潤が言う。「エンジェルスフォールの土壌はそもそも、毒性が強いんです。そこへあの青の永久凍土がほんのちょっとした事故で浸透したんです」俺はそれを聞き、言う。「そして誕生したのが紺青の暗殺者と紺青の永久凍土、という訳か」俺がそう言うと木崎潤が頷く。「はい、九条様」この男は本当に良く訓練されているなと思う。決して逆らわず、自身の知っている事を素直に述べている。こちらがそのほとんどを把握している事もきっと本能で分かっているのだろうと思えた。(長い物には巻かれろ、か)そう思い笑う。「その紺青の永久凍土を手に入れて、二日後のレセプションパーティーで美織に盛る計画だったな?」俺がそう聞くと木崎潤が頷く。「はい、その通りです。九条様」俺は溜息を一つ、ついて、考える。(さて、どうするか)このまま何も持たせずに木崎潤を帰して良いし、木崎潤に我々が邪魔をしたと報告させるのも一興だ。そして更には何事も無かったかのように無害のものを持たせて計画は順調に進んでいると見せかけても良い。そもそもどちらに転ぶかも分からないような代物で美織を殺害しようだなんて笑える話なのだ。しかも俺にその全てが露見している。滑稽な話だ。「木崎潤」俺が呼ぶと木崎潤が俺を見上げる。「はい、九条様」俺は木崎潤を見下ろしながら聞く。「このままお前に計画が頓挫したと一ノ瀬華瑛に報告させるか。偽の毒物を持って帰り、計画は順調に進んでいると一ノ瀬華瑛に思わせたままにするか……どちらがより完璧で美しい形で美織に提供出来るか、お前が選んで良いぞ」俺がそう言うと木崎潤が言う。「恐れながら九条様、お聞きしても良いでしょうか」そう聞かれて俺は頷く。「許可しよ

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  • 灰になった令嬢は宿敵の腕の中で牙を剥く   140話 歪曲

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  • 灰になった令嬢は宿敵の腕の中で牙を剥く   7話 消えた令嬢

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